フランスのスーパーで食品を見ていると、A・B・C・D・Eというアルファベットが、色付きで表示されている商品があります。
電子レンジで温めるだけで食べられる惣菜、ヨーグルト、シリアル、飲み物、そしてお菓子にも。
初めて見ると「このAって何?」と思うかもしれません。
これは、Nutri-Score(ニュートリスコア)と呼ばれる栄養表示です。
私はフランスを旅行したとき、スーパーで食事を買うことも多くありました。
フランス語ですべての原材料や栄養成分を瞬時に読み取るのは難しくても、パッケージの表側にA〜Eが表示されていると、「こっちはA、こっちはCなんだ」と、一目で比較できます。

はじめまして、紗良です。
仏式自然療法・植物療法研究家として、フランスの植物療法や精油文化について学び、発信しています。
✅ Nutri-Scoreとは?
✅ A〜Eの意味
✅ 評価に使われる栄養項目
✅ 2025年から何が変わった?
✅ Aだけ選べばいいわけではない理由
✅ 日本との違い
✅ フランス旅行での実際の使い方
Nutri-Scoreとは?
Nutri-Scoreは、食品の「栄養面での特徴」を消費者がわかりやすく比較できるようにした、商品パッケージの前面にある栄養表示です。
フランスでは2017年に導入されました。
表示は、A・B・C・D・Eの5段階で、それぞれ色分けされています。
A:濃い緑
B:緑
C:黄色
D:オレンジ
E:濃いオレンジ
Aに近いほど栄養面でより好ましい評価、Eに近いほど栄養面で注意したい評価です。
ただし、これを食品を「健康食品」「不健康食品」に分けるものではありません。
同じような食品を比較し、消費者が選びやすくするための指標です。
Nutri-Scoreは、義務表示されている栄養成分表示を補完し、消費者が食品をより簡単に比較できるようにする目的で作られています。
フランスではメーカーが任意で表示する制度のため、すべての商品にNutri-Scoreが付いているわけではありません。
A〜Eはどうやって決まる?


Nutri-Scoreは、単純にカロリーだけを見て決めているわけではありません。
食品100gまたは飲料100mLあたりの栄養成分などをもとに、総合的なスコアを算出します。
評価では大きく分けて、積極的に摂りたいものと摂りすぎに注意したいものの両方が考慮されます。
評価を高める方向に働くもの
- 食物繊維
- たんぱく質
- 果物
- 野菜
- 豆類
評価を下げる方向に働くもの
- エネルギー
- 飽和脂肪
- 糖類
- 塩分
- 一部の甘味料
これらを組み合わせて一つのスコアにし、最終的にA〜Eへ分類します。
つまり、「低カロリーならA」という単純な仕組みではありません。
2025年から変わったNutri-Scoreの基準が変わった
Nutri-Scoreは、科学的知見や食生活、食品市場の変化に合わせて、評価方法も見直されています。
フランスでは2025年3月16日から、新しい計算アルゴリズムの導入が始まりました。
今回の改定では、より現在の栄養ガイドラインと整合するように基準が調整されています。
例えば、
- 食物繊維が多い食品をより適切に評価する
- 糖分が多い食品をより厳しく評価する
- 塩分が多い食品をより厳しく評価する
などの変更があります。
新しい計算方法によって、約30〜40%の商品でNutri-Scoreが変わると推定されています。
メーカーには新しい表示へ切り替えるための移行期間が設けられています。
2025年以前に見たNutri-Scoreと、現在の商品に表示されるNutri-Scoreでは、同じ商品でも評価が変わっている可能性があります。
Aなら「健康食品」、Eなら「悪い食品」?
ここは一番誤解しやすいところです。
Aだから健康、Eだから食べてはいけないという意味ではありません。
このような場面で使うとわかりやすいです。
例えば、
- シリアルAとシリアルB
- 冷凍ピザAと冷凍ピザC
- ヨーグルトAとヨーグルトD
- 似たタイプの惣菜同士
など。



「Aしか買わない」ではなく、「今日はこれを食べたい気分!その中でどの食品を選ぼうかな?」というときの判断材料として見るのがわかりやすいです。
Eの商品を食べてはいけないわけではありません。
食事全体のバランス、量、頻度なども重要です。
フランスのスーパーで実際に便利だった
私がフランスを旅行したときは、毎食レストランを利用していたわけではありません。
スーパーで買い物をして、宿泊先で食事をすることも多くありました。
特に便利なのが、電子レンジで温めるだけで食べられる惣菜です。
6ユーロくらいから購入できるものもあり、種類も豊富で、ひとり旅ではかなり助かりました。
ただ、知らない国のスーパーへ行くと、「どれを選んだらいい?」となります。
パッケージは当然フランス語で、商品も大量にあります。
そんなとき、表側にNutri-Scoreが付いていると、一つの判断材料になります。
例えば、似たような惣菜が2つあって、こちらはB、こちらはD、値段もほぼ同じなら、「今日はBの方にしてみようかな」と選ぶことができます。
もちろん味や原材料、価格も見ます。
でも、消費者が自分で選ぶための情報が、パッケージ前面にわかりやすく表示されていること自体が面白いと感じました。


疲れた日はUber Eats、元気がある日はスーパーやレストランへ。
私はその日の体力に合わせて使い分けていました。
お菓子にもNutri-Scoreがある


Nutri-Scoreを見かけるのは、いわゆる「健康的な食品」だけではありません。
クッキーやシリアルなど、日常的な加工食品にも表示されています。
ここが個人的には好きなところです。
「特別な健康食品だけに健康情報を付ける」のではなく、普段買う食品にも選ぶための情報を載せる。
だから消費者は「お菓子を食べない」という選択だけではなく、「お菓子を食べたい。その中で今日は何を選ぼうかな?」と考えることができます。
食べる・食べないの二択ではなく、選び方を支える仕組みとして見ると、Nutri-Scoreはとても興味深い制度だと思います。
Nutri-Scoreは表示義務ではない
ここも重要です。
フランスの商品すべてにNutri-Scoreが表示されているわけではありません。
現在、Nutri-Scoreの表示はメーカーによる任意です。
そのため、「Nutri-Scoreがない=評価が悪い」という意味でもありません。
一方で、フランス政府はNutri-Scoreを消費者の食品選択を助ける制度として推奨しています。
日本の食品表示とは何が違う?
日本にも栄養成分表示があります。
食品を見ると
- エネルギー
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- 食塩相当量
などが書かれています。
これはもちろん大切な情報です。
ただ、消費者自身が「脂質何g」「糖質何g」「食塩何g」と数字を読み、その意味を考える必要があります。
Nutri-Scoreの特徴は、複数の栄養情報をまとめ、A〜Eという形で視覚化していることです。
つまり、日本では「数字を見て、自分で評価する」フランスのNutri-Scoreでは「すでに評価されているので、A〜Eの表示を見るだけ」という違いがあります。
| 日本の一般的な栄養成分表示 | Nutri-Score | |
|---|---|---|
| 表示 | 栄養素の数値 | A〜Eの総合評価 |
| 見方 | 数値を読む | 色と文字で直感的 |
| 情報量 | 詳細を見る複雑さ | シンプル |
| 役割 | 栄養情報そのもの | 商品比較の補助 |
| Nutri-Score型評価 | なし | フランスで広く利用 |
どれが優れているという単純な話ではありません。
Nutri-Scoreだけでは具体的に糖分が何g入っているのかまではわかりません。
逆に細かい数字だけでは、栄養について詳しくない人にとって比較が難しいこともあります。
私は、詳細な数字もあり、さらに一目で比較できる情報もあるという形が消費者には使いやすいと感じます。
Nutri-Scoreを見ながら買い物するときのコツ
フランス旅行中にNutri-Scoreを使うなら、
- 同じ種類の商品同士で比べる
- Aだけ選ぼうとしない
- 価格も見る
- 原材料も確認する
- 食べる量や頻度も考える
- 自分が食べたい気持ちも大切にする
Nutri-Scoreは、あくまで自分で選ぶための情報の一つです。
選択肢を奪うのではなく、選ぶための情報をくれる
私がNutri-Scoreを面白いと思う一番の理由は、ここです。
Aの商品もある、Dの商品もある…その上で消費者の情報を見せて、何を選ぶのかを自分で決めさせる。
私はこの考え方がとても好きです。
健康についても、「誰かがいいと言ったから」「SNSで流行っているから」「みんなが選んでいるから」ではなく、情報を知った上で、自分で考えて自分に合うものを選ぶ。
そのためには、まず判断するための情報へアクセスできることが必要です。
Nutri-Scoreは、その一つの形なのだと思います。
Nutri-Scoreにも限界はある
便利な制度ですが、万能ではありません。
Nutri-Scoreは食品100gまたは100mLを基準として評価します。
そのため、
- 実際に一度に食べる量
- 食生活全体
- その人の体や生活状況
- 加工度
- すべての食品の価値
を一つの文字ですべて表現できるわけではありません。
だから、A=絶対にいい、E=絶対に悪いと考えるのではなく、あくまで選択を助ける一つの指標として使うことが大切です。
まとめ|Nutri-Scoreは選ぶための材料になる
フランスのスーパーで食品に表示されているA〜Eは、Nutri-Scoreという栄養評価です。
食品100gまたは飲料100mLあたりの、
- 食物繊維
- たんぱく質
- 果物、野菜、豆類
- エネルギー
- 飽和脂肪
- 糖
- 塩分
などをもとに総合的に評価し、A〜Eで表示します。










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